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マスターのおすすめ本~その7 「虐殺器官」 伊藤計劃 [本]

いやぁ…寒いですね。読書が進みます。

またすごい作家に出会いました。
SFってあまり読まないジャンルなのですが、シンプルな表紙と、有名作家達が口をそろえて才能に嫉妬したという触れ込みにつられ読んでみました。

…すごい。
描写や設定が本当に神経質なまでに細かくて、フィクションではないのではという位リアルでどんどん引き込まれ、あっという間に読み終わってました。
内容は、近未来テロが横行する社会で、謎の男ジョン・ポールがたった一人で虐殺の方程式を利用し、大量虐殺を引き起こしていく、という、絶対普段だったら食指が動かない設定。
それが飽きずに読めたのは本当にこの伊藤さんの文章表現の巧みさ。そして全ての人間がIDで管理され、認証されないと買い物も飲み食いもできない、データ管理の社会というこのまま行けば起こりうる世界の描写の妙。
冒頭からえぐい表現の連続で、少年少女兵士のむごい描写もたくさん出てくるので、血が苦手な方、心の心底優しい方にはおすすめできません。
ジョン・ポールが虐殺を引き起こし続けた理由が身勝手でありながらも愛にあふれていて、そのアンバランスさに胸が詰まります。

残念ながら伊藤計劃さんはすでに死去されており、虐殺器官含め長編は3作品のみ。
現在遺作である「ハーモニー」を読んでいるのですが、こちらもかなりきれてます。
自らガンに侵されながら、治らない病気がほとんどない世界を舞台に小説を書く。なんてブラックなんだ。
また読み終わったら感想を書きます。面白すぎて読み終わるのが嫌になります。




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虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 伊藤 計劃
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2010/02/10
  • メディア: 文庫



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横浜の住人

好きな本は吸い込まれます。
ところで色々な事象で因果律を信じますか?
理解するには信じたくないのですが結局は因果律に従っています。
by 横浜の住人 (2011-01-16 00:01) 

nichigetsuka_enoshima

横浜の住人様

本日は興味深いお話を色々と有難うございます。

因果律。初めて聞く言葉で辞書をひいてしまいました。
確かにこの本を選ぶにあたっても、今まで読んできた本の傾向だったり、すごい本を書く作家が絶賛していたり、因果によるものなのかもしれないですね。でもその過程を選び取って積み重ねてきたのは自分の意思であると、私は信じたいですかね。
by nichigetsuka_enoshima (2011-01-17 18:02) 

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