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マスターのおすすめ本~その12~「万寿子さんの庭」星野伸一 [本]

このコーナーにしては珍しく(?)、ほっこり系の本のご紹介。

最近気づいたのですが、本屋さんで読んだことのない作家の本を選ぶとき、○○の○○というタイトルに惹かれているようです。本棚を見ると「夕子ちゃんの近道」「袋小路の男」「ソロモンの犬」「マルコの夢」などなど…。
この本も装丁やふれ込みは趣味じゃなかったのですが、タイトルになんだか惹かれたのです。

20歳の主人公が引っ越し先でお隣さんになった78歳の万寿子さんと友情を育んでいくというストーリー。
ここまでは良くありがちなお話で、主人公の恋や万寿子さんの恋(?)などを絡めながら和やかに進んで行きます。
しかし、途中から段々と万寿子さんの認知症がその影を現します。
そんな万寿子さんを友人として自分ひとりで面倒を見ようと決意する主人公に、徐々に介護の現実が突きつけられます。介護にのめり込み、何をしてても万寿子さんのことが頭を離れず、自分を見失って行く主人公。

お涙頂戴的な偽善的な話ではなく、あくまでも女同士の友情が軸に現実的に描かれていて、感動だけでなく、痛みも覚える作品ですが、最期の万寿子さんの遺書が胸に詰まります。とても素敵な小説です。



万寿子さんの庭〔文庫〕 (小学館文庫)

万寿子さんの庭〔文庫〕 (小学館文庫)

  • 作者: 黒野 伸一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/10/06
  • メディア: 文庫



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